ひよこ統計

連続型確率変数

統計検定2級

離散型確率変数 では、とりうる値の1つ1つに確率を割り当てられました。ところが身長や待ち時間のように、いくらでも細かい値をとりうるものではこの方式が使えません。「ちょうど 165.000… cm」に少しでも正の確率を置くと、そういう値が無数にあるぶんだけ合計が 1 を超えてしまうからです。

そこで発想を変えて、確率を面積で表します。確率密度関数 f(x) f(x) という関数を用意し、X X がある区間に入る確率を、その区間で f f の下にできる面積と定めます。こうして値をとる確率変数が連続型確率変数です。

P(a≤X≤b)=∫abf(x) dxP(a \le X \le b) = \int_a^b f(x) \, dx
f(x) f(x) :確率密度関数。確率そのものではなく、確率の詰まりぐあい、P(a≤X≤b) P(a \le X \le b) :X が区間 [a, b] に入る確率

確率が面積なのですから、f(x) f(x) が満たすべき条件も面積の言葉になります。負の面積があってはいけないので f(x)≥0 f(x) \ge 0 、そして全体をとりつくした面積は 1 でなければなりません。この2つを満たす関数なら、どんな形でも密度関数として使えます。

確率密度関数のグラフ。横軸 x は0から20、縦軸 f(x) は0から0.12。f(x) は x=0 で 0.10、x=20 で 0 まで一直線に下がる三角形の形をしている。0から10までの区間が塗りつぶされ、右端の x=10 に破線の境界が引かれている。
確率密度関数と、区間 0 ≤ x ≤ 10 に対応する面積

f(x) f(x) の値そのものは確率ではありません。密度なので 1 を超えることもあります(幅の狭い分布では実際にそうなります)。確率になるのは、あくまで幅を掛けて得られる面積のほうです。またこの定義のもとでは、1点の確率 P(X=a) P(X = a) は幅0の面積なので必ず 0 になります。これは「起こりえない」という意味ではなく、連続量ではぴったりの値を指定すること自体に意味がない、と読みます。

ある機器の1日の使用時間 X X (0時間から20時間)が、f(x)=a(1−x20) f(x) = a \left( 1 - \frac{x}{20} \right) という密度に従うとします。上の図の三角形がその形です。まず定数 a a を決めなければ、確率の計算は始まりません。

手がかりは「全体の面積が 1」の一点です。積分すると ∫020a(1−x20)dx=a[x−x240]020=a(20−10)=10a \int_0^{20} a \left( 1 - \frac{x}{20} \right) dx = a \left[ x - \frac{x^2}{40} \right]_0^{20} = a(20 - 10) = 10a となり、これが 1 に等しいので a=110 a = \frac{1}{10} です。

三角形なので、積分せずとも面積の公式で確かめられます。底辺20・高さ a a の直角三角形だから面積は 20a2=10a \frac{20a}{2} = 10a 。同じ式が出ました。密度が単純な形のときは、図形として見るほうが速いことがあります。

a a が決まれば、使用時間が10時間以下である確率も求まります。上底 f(10)=0.05 f(10) = 0.05 ・下底 f(0)=0.10 f(0) = 0.10 ・高さ10の台形なので、0.10+0.052×10=0.75 \frac{0.10 + 0.05}{2} \times 10 = 0.75 。残りの10時間から20時間は 0.25 で、足すと 1 に戻ります。区間の幅はどちらも10で同じなのに、確率は3対1です。

入門問題

全 3 問
問 1

連続型確率変数の確率密度関数 f(x) f(x) が満たすべき条件はどれですか。

問 2

ある部品の使用時間 X X (0時間から10時間)の確率密度が f(x)=c(1−x10) f(x) = c \left( 1 - \frac{x}{10} \right) で与えられています。定数 c c の値はどれですか。

問 3

連続型確率変数 X X について、P(X=5) P(X = 5) の値はどれですか。