ひよこ統計

フィッシャーの3原則

統計検定2級

実験の結果に差が出たとして、それを割り付けた条件のせいだと言い切るには、条件以外の違いが結果に紛れ込まない仕組みが要ります。その仕組みを3つにまとめたものがフィッシャーの3原則——無作為化・繰り返し・局所管理です。実験のデザイン(実験計画) を組むときの土台になります。

無作為化

どの条件をどの相手に割り付けるかを乱数で決めます。未知の違いがどの条件へ偏るかを人為的に決めず、反復した割付では平均的に均衡させる仕組みです。個々の実験には偶然の不均衡が残りえます。

繰り返し

同じ条件を、複数の相手に割り付けます。こうすると同じ条件の中にどれだけの幅があるかが分かり、条件の間の差をその幅と比べられるようになります。1つの相手を何度も測ることではありません。同じ素材を4回測っても、測定のぶれが分かるだけで、素材ごとの違いは見えないままです。

局所管理

既知の重要な外乱因子がある場合、条件の近い塊(ブロック)に分け、その中で比べるのが局所管理です。畑の日当たりや製造日などによるばらつきを比較から分けやすくします。

無作為化・繰り返し・局所管理は実験計画の基本原則です。ただし局所管理は既知の重要な外乱因子がある場合に用いる設計上の選択で、すべての実験で必須というわけではありません。

12区画の畑で、肥料A・B・Cによる収穫量の違いを比べます。この畑は東から西へ向かって日当たりが弱くなっていて、日当たりの差も収穫量を変えることが分かっています。

まずいのは、東の4区画にA、真ん中の4区画にB、西の4区画にCをあてる割り付けです。Aの収穫量が多かったとして、それが肥料の力なのか日当たりの差なのかを、あとから分けることはできません。

組み方はこうなります。日当たりの近い区画を3つずつまとめ、4つのブロックを作り(局所管理)、各ブロックの中でA・B・Cを1区画ずつ、乱数で割り付けます(無作為化)。結果として各肥料は4区画ずつに割り当てられます(繰り返し)。

位置1位置2位置3
ブロック1(日当たり強)BAC
ブロック2ACB
ブロック3CBA
ブロック4(日当たり弱)BCA

肥料の比較は、どのブロックでも同じ日当たりのもとで行われます。日当たりの差はブロックの間の差として現れるだけで、肥料の差には混ざりません。しかも各肥料が4つのブロックに1回ずつ現れるので、日当たりの違う場所をひととおり経験したうえでの比較になります。

この畑では日当たりが既知の重要因子なので、局所管理を外すと日当たりの差が肥料差へ混ざるおそれがあります。無作為化を外すと人為的な割付の偏りが生じ、繰り返しを外すと偶然のばらつきを評価できません。

入門問題

全 3 問
問 1

フィッシャーの3原則に含まれないものはどれですか。

問 2

「繰り返し」の説明として正しいものはどれですか。

問 3

東から西へ日当たりが弱くなる畑で、肥料A・B・Cを比べます。局所管理にあたる工夫はどれですか。