ひよこ統計

点推定

統計検定2級

母数(母平均や母比率のように、母集団の分布を決めている値)は普通わかりません。わかるのは手元の 標本 だけです。そこから母数の値を1つの数値で言い当てることを点推定といい、答えとして出した数値を推定値と呼びます(この2つの呼び分けは 推定量と推定値 で詳しく扱います)。

何を使って言い当てるかは、知りたい母数ごとに決まっています。

知りたい母数点推定に使う値
母平均 μ \mu 標本平均 Xˉ \bar{X}
母比率 p p 標本比率 p^ \hat{p}
母分散 σ2 \sigma^2 不偏分散 S2 S^2

母平均と母比率は素直で、標本で同じものを計算すればそのまま使えます。母分散だけ事情が違います。標本のばらつきは、母平均のまわりではなく標本平均のまわりで測ることになるので、そのままでは小さめに出る。そこで n n ではなく n−1 n - 1 で割って埋め合わせたものが不偏分散です。

S2=1n−1∑i=1n(Xi−Xˉ)2S^2 = \frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^{n}\left(X_i - \bar{X}\right)^2
S2 S^2 :不偏分散、Xi X_i :標本の各値、Xˉ \bar{X} :標本平均、n n :標本の大きさ

なぜ n−1 n - 1 で割ると埋め合わせになるのか、その理屈は 不偏性 で扱います。

点推定は1つの数値を返すだけで、その数値が母数からどれだけ離れているかは何も語りません。しかも別の標本を取れば別の値が出るので、ぴたりと当たることはまず期待できません。だからこの先、幅を付けて答える 信頼区間 が必要になります。

電池の寿命から母平均と母分散を推定する

同じ型の電池を5個取り出し、寿命(時間)を測ったところ 18, 20, 19, 22, 21 でした。

母平均の推定値は標本平均で、18+20+19+22+215=20 \frac{18 + 20 + 19 + 22 + 21}{5} = 20 時間。母分散の推定値は、偏差 −2,0,−1,2,1 -2, 0, -1, 2, 1 を2乗して足し、4+0+1+4+15−1=2.5 \frac{4 + 0 + 1 + 4 + 1}{5 - 1} = 2.5 となります。割る数が 5 ではなく 4 である点に注意します。

アンケートから母比率を推定する

無作為に選んだ200人のうち50人が「利用したことがある」と答えました。母比率の推定値は 50200=0.25 \frac{50}{200} = 0.25 です。

どちらの推定値も、標本を取り直せば別の数値になります。20 時間や 0.25 という答えは、そのとき手元にあった標本から出た1点にすぎません。この「取るたびに変わる」という性質を正面から扱うのが、次のページです。

入門問題

全 3 問
問 1

点推定の説明として正しいものはどれですか。

問 2

ある母集団から無作為に5個を選び、4, 6, 8, 10, 12 という値を得ました。母分散の点推定に使う不偏分散はいくつですか。

問 3

点推定について正しいものはどれですか。