ひよこ統計

ジニ係数

統計検定2級

ローレンツ曲線 が完全平等線からどれだけ離れているかを、1つの数値にまとめたものがジニ係数です。完全平等線と曲線に囲まれた面積を2倍して求めます。

2倍するのは、完全平等線の下側にある三角形の面積が 0.5 0.5 だからです。所得が非負である通常の定義では、ジニ係数は 0 以上 1 以下の値をとり、0 なら全員の所得が等しく、1 に近いほど偏りが大きい状態を表します。負の所得や純資産を含むデータでは1を超える場合があり、別途扱いに注意が必要です。

日本のローレンツ曲線と45度の完全平等線のあいだが赤く塗られた図。凡例には「完全平等線とローレンツ曲線に囲まれた面積」「完全平等線」「日本(2014年)のローレンツ曲線」とある。
赤く塗った面積の2倍がジニ係数(日本・2014年。資料:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2017」)

気をつけたいのは向きです。ジニ係数は小さいほど平等・大きいほど不平等であって、逆に覚えると国同士の比較で結論がそのまま反対になります。曲線が完全平等線に近いほど囲まれた面積は小さく、ジニ係数も小さい。図の赤い部分の広さと値の大きさが同じ向きに動く、と押さえておけば取り違えません。

日本のジニ係数を五分位のデータから概算する

五分位階級のデータからは、曲線の下側の面積を台形に分けることでジニ係数を概算できます。累積相対度数は 0, 0.054, 0.161, 0.324, 0.565, 1.000 の6点で、隣り合う点のあいだが1つの台形です。

台形は横に倒れた向きなので、平行な2辺が縦、その間隔が横幅 0.2 に当たります。左端の台形なら、2辺が 0 と 0.054 なので面積は (0+0.054)÷2×0.2=0.0054 (0 + 0.054) \div 2 \times 0.2 = 0.0054 です。同じように5つ求めて足すと 0.0054+0.0215+0.0485+0.0889+0.1565=0.3208 0.0054+0.0215+0.0485+0.0889+0.1565 = 0.3208 になります。

囲まれた面積は、三角形から曲線の下側を引いて 0.5−0.3208=0.1792 0.5 - 0.3208 = 0.1792 です。これを2倍して、ジニ係数は 0.1792×2=0.3584 0.1792 \times 2 = 0.3584 、およそ 0.36 と求まります。

スウェーデンの五分位階級所得割合は 8.7, 14.3, 17.8, 23.0, 36.2 %で、同じ手順で計算するとおよそ 0.25 になります。値が小さいぶん、図でも曲線が完全平等線の近くを通っていました。

五分位という粗い階級を直線で結んで計算しているので、この方法で求めた値は本来のジニ係数よりやや小さめに出ます。階級を細かくするほど、真の値に近づきます。

入門問題

全 3 問
問 1

ジニ係数の値が大きいほど、所得の分配はどうなっていますか。

問 2

全員の所得がまったく等しい社会では、ジニ係数はいくつになりますか。

問 3

完全平等線とローレンツ曲線に囲まれた面積が 0.2 でした。ジニ係数はいくつですか。