ひよこ統計

カイ二乗値(一様な頻度からのずれ)

統計検定2級

ある市で6週間(42日)に起きた交通事故84件を曜日別に数えたところ、月10件・火14件・水11件・木16件・金12件・土11件・日10件でした。各曜日はどれも6日ぶんありますから、曜日によらず同じくらい起きるのなら、84件を7で割った12件前後に並ぶはずです。実際の数字は、そこから上下にずれています。

このずれの大きさを区分ごとに測り、合計した値がカイ二乗値です。「一様なら本来こうなるはず」の度数を期待度数、実際に数えた度数を観測度数といいます。

χ2=∑i=1k(oi−ei)2ei\chi^2 = \sum_{i=1}^{k} \frac{\left(o_i - e_i\right)^2}{e_i}
χ2 \chi^2 :カイ二乗値、oi o_i :各区分の観測度数、ei e_i :各区分の期待度数、k k :区分の数

差を2乗するのは、多い側と少ない側のずれが打ち消し合わないようにするためです。さらに期待度数で割るのは、同じ 5 のずれでも、期待度数が 10 のときと 1000 のときでは重みが違うからです。すべての区分でぴったり一致すれば 0 になり、ずれが大きいほど値も大きくなります。

ここで求まるのは、あくまで「ずれの大きさ」です。その値が偶然のばらつきで説明できる範囲なのかを判定するには、適合度検定(観測度数が想定した分布に当てはまるかを調べる検定)に進み、カイ二乗分布 と照らし合わせます。

曜日ごとの交通事故件数

期待度数はどの曜日も 84÷7=12 84 \div 7 = 12 件です。観測度数との差を並べます。

曜日月火水木金土日
観測度数10141116121110
期待度数12121212121212
差−22−140−1−2
差の2乗44116014

差の2乗の合計は 4+4+1+16+0+1+4=30 4+4+1+16+0+1+4 = 30 です。どの区分も期待度数が12なので、カイ二乗値は 30÷12=2.5 30 \div 12 = 2.5 となります。金曜日は期待度数ちょうどなので、合計に何も足しません。

比べるために、合計は同じ84件でも曜日の偏りが大きい場合を見ます。月6・火18・水9・木19・金12・土10・日10 なら、差は −6,6,−3,7,0,−2,−2 -6, 6, -3, 7, 0, -2, -2 、差の2乗の合計は 36+36+9+49+0+4+4=138 36+36+9+49+0+4+4 = 138 で、カイ二乗値は 138÷12=11.5 138 \div 12 = 11.5 です。件数の合計が同じでも、一様からのずれが大きいほど値が大きくなると分かります。

入門問題

全 3 問
問 1

「どの区分も同じ割合で起きる」と考えるとき、各区分の期待度数はどのように求めますか。

問 2

カイ二乗値の計算で、観測度数と期待度数の差を2乗するのはなぜですか。

問 3

4つの区分すべてで期待度数が 25、観測度数との差がそれぞれ 5, −5, 5, −5 でした。カイ二乗値はいくつですか。