同じ「平均年収500万円」でも、全員が500万円前後の社会と、一部の人に集中している社会では中身がまるで違います。所得がどれくらい偏って分配されているかを、1本の曲線で見えるようにしたのがローレンツ曲線です。
所得の少ない順に並べ、横軸に人口の 累積相対度数、縦軸に所得の累積相対度数をとって点を結びます。全員の所得が等しければ「人口の40%が所得の40%を受け取る」となるので、曲線は45度の直線に一致します。この直線を完全平等線といいます。偏りが大きいほど、曲線は完全平等線から下へ離れて弧を描きます。

図は五分位階級(人口を所得の少ない順に5等分した各階級)の所得割合から描いたものです。どちらの国も完全平等線の下側を通り、日本の曲線はスウェーデンより下を通っています。この資料の数値で見るかぎり、日本のほうが所得の偏りが大きいことになります。曲線の離れ具合を1つの数値にまとめたものが ジニ係数 です。
国際比較を読むときは2点に注意します。1つは調査年で、ここで比べている日本とスウェーデンは2年ずれています。もう1つは所得のとらえ方で、税や社会保障を差し引く前か後か、世帯単位か個人単位かによって曲線も値も変わります。数値を引用するときは、どの定義・どの年の統計かをあわせて確かめてください。
日本の五分位階級所得割合(%)は次のとおりです。所得の少ない階級から順に足していくと、曲線の縦座標が求まります。
| 五分位階級 | 第1 | 第2 | 第3 | 第4 | 第5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 所得割合(%) | 5.4 | 10.7 | 16.3 | 24.1 | 43.5 |
| 累積(%) | 5.4 | 16.1 | 32.4 | 56.5 | 100.0 |
所得の少ないほうから40%が受け取っているのは、全体の %にすぎません。完全平等なら40%のはずですから、点 は完全平等線よりかなり下に来ます。反対に、上位20%だけで 43.5 %を占めています。
もし各階級の割合が均等(どこも20%)なら、累積は 20, 40, 60, 80, 100 となり、点はすべて完全平等線の線上に並びます。曲線が下へたわむ幅が、そのまま分配の偏りの大きさを表しています。
全員の所得がまったく等しいとき、ローレンツ曲線はどうなりますか。
五分位階級の所得割合が、第1五分位 5.4%、第2五分位 10.7% でした。所得の少ないほうから40%の人が受け取っている所得は、全体の何%ですか。
2つの国のローレンツ曲線を比べたところ、A国の曲線のほうが完全平等線から遠く離れていました。どう読み取れますか。