二項分布の正規近似 では、近似して求めた 0.1469 が厳密な 0.1583 と1ポイントほど食い違いました。このずれは偶然ではなく、決まった向きに出ます。とびとびの値をとる分布を、切れ目なくつながった曲線で置き換えたことから来る系統的なずれだからです。
理由は棒グラフを見ると分かります。棒が数えられる大きさのほうが見やすいので、いったん に移って「表が 8 回以下」を考えます。 の棒は幅 1 をもち、7.5 から 8.5 までの範囲を占めています。曲線で 8 までの面積をとると、この棒の右半分が切り落とされてしまいます。そこで境界を棒の端まで動かす——この手当てが連続修正です。

破線の 8.0 で切ると、境界のすぐ内側にある 8 の棒の右半分が抜け落ちます。実線の 8.5 まで伸ばせば棒1本ぶんがまるごと入り、棒の合計と曲線の下の面積がよく合うようになります。どちらへ 0.5 動かすかは、その棒を含めたいかどうかで決まります。
| 求めたい確率 | 修正後に使う境界 |
|---|---|
| まで | |
| から | |
| から まで |
「とりあえず 0.5 を足す」と覚えると必ず間違えます。 の棒を数えたいなら境界を外側へ広げ、数えたくないなら内側へ狭める、というだけのことです。 は を含まないので と同じであり、修正後の境界は になります。符号を覚えるのではなく、棒を含むかどうかで毎回決めます。
修正によって確率が変わる幅は、 が大きいほど小さくなります。棒1本ぶんの幅は 1 のまま変わらないのに、分布の広がり は とともに大きくなるので、 が大きいほど 0.5 のずらしは相対的に小さくなります。 が十分大きい場面で連続修正が省かれることがあるのは、このためです。
コインを20回投げて、表が 8 回以下になる確率を求めます。 なので平均は 、分散は 、標準偏差は です。
まず修正なしで計算します。 から 。いっぽう二項分布から直接求めた厳密な値は 0.2517 で、0.065 も小さく出ています。本来の値の4分の1ほどを取りこぼした計算です。
境界を 8.5 に付け替えると 、。厳密な 0.2517 とほぼ重なりました。0.5 をずらしただけで、誤差が 0.065 から 0.0003 へ縮んでいます。
では標準偏差が 2.236 しかないので、0.5 のずれは標準偏差の2割以上にあたります。小さな で修正を省けない理由がここにあります。
冒頭に挙げた 0.1469 と 0.1583 の食い違いにも、同じ手当てを当てはめます。10回に1回カウントされる歩数計で1,000歩あるいたときのカウント数 について 110 回以上を求めるので、110 の棒を含めるために境界は 109.5 です。 から 。
厳密な値は 0.1583 でしたから、修正なしの 0.1469 に比べてずっと近づきました。 では標準偏差が 9.49 もあるため、0.5 のずらしが動かす はわずか 0.05 ほど。それでも確率にすると1ポイントぶんの違いになります。
について を正規分布で近似します。連続修正を行うとき、正規分布側で使う境界はどれですか。
二項分布に従う について を正規分布で近似するとき、連続修正後に求める範囲はどれですか。
について を、連続修正をして正規近似します。標準化した値に最も近いものはどれですか。
連続修正が必要になる理由として最も適切なものはどれですか。