散らばりの大きさは 標準偏差 で比べられます。では、1日の来客数が平均20人の小さな店と、平均200人の大きな店ではどうでしょうか。前者の標準偏差が2人、後者が10人なら、数字の上では後者が5倍散らばっていることになります。
しかし、店の規模がそもそも違います。そこで、標準偏差が平均の何倍に当たるかを見ます。この値が変動係数です。
同じ単位の値同士を割るので、変動係数に単位は残りません。長さや質量のように意味のあるゼロ点をもち、比に意味がある比例尺度のデータなら、単位の異なる散らばりも相対的に比べられます。100倍して百分率で表すこともあります。平均が0に近いデータや、摂氏温度のようにゼロ点が任意の尺度には通常使いません。
本文のA店・B店で計算すると、A店は 、B店は です。
| 1日の来客数 | 平均(人) | 標準偏差(人) | 変動係数 |
|---|---|---|---|
| A店 | 20 | 2 | 0.10 |
| B店 | 200 | 10 | 0.05 |
標準偏差はB店のほうが大きいのに、変動係数はA店が2倍です。規模に対する日ごとの変動は、A店のほうが大きいことになります。
単位が違う場合も比べられます。ある集団の身長が平均160cm・標準偏差8cm、体重が平均50kg・標準偏差5kgだったとします。8cm と 5kg は直接比べようがありませんが、変動係数なら身長が 、体重が と求まり、体重のほうが平均に対する散らばりが大きいと分かります。
似た働きに見える 偏差値 は、一つ一つの値が集団のどこに位置するかを表すものです。変動係数は、データ全体の散らばりの大きさ同士を比べるために使います。
変動係数は、標準偏差と平均を使ってどのように計算しますか。
国語は平均60点・標準偏差12点、数学は平均50点・標準偏差5点でした。平均に対する散らばりが大きいのはどちらですか。
変動係数を使うと、身長(cm)と体重(kg)の散らばりを比べられるのはなぜですか。