ひよこ統計

共分散

統計検定3級統計検定2級

共分散は、2つの数量が一緒に動く度合いを表す値です。一方が平均より大きいときにもう一方も平均より大きい、という関係が強いほど大きな正の値になり、逆向きに動く関係なら負の値になります。

求め方は、データごとに2つの 偏差(平均との差)を掛け、その平均をとります。

sxy=1n∑i=1n(xi−xˉ)(yi−yˉ)s_{xy} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}\left(x_i - \bar{x}\right)\left(y_i - \bar{y}\right)
sxy s_{xy} :共分散、xi, yi x_i,\ y_i :各データの2つの値、xˉ, yˉ \bar{x},\ \bar{y} :それぞれの平均、n n :データの個数

なぜ掛けるのかは、散布図 を平均の位置で4つに区切ると見えてきます。

5人の勉強時間と点数の散布図。勉強時間の平均3時間の位置に縦の破線、点数の平均6点の位置に横の破線が引かれ、平面が4つの領域に分かれている。右上と左下は青、左上と右下は赤で塗り分けられている。点は左下から右上へ向かって並び、うち1点は縦の破線の上に乗っている。
青い領域(右上・左下)では偏差の積が正、赤い領域(左上・右下)では負になる

青く塗った右上(両方とも平均より大きい)と左下(両方とも小さい)では、2つの偏差の積が正になります。赤い左上と右下では積が負です。正の積の合計が負の積の絶対値合計を上回れば共分散は正、下回れば負になります。各点の積の大きさも関わるため、領域ごとの点数は符号を考える大まかな手掛かりにすぎません。破線上の点は積が0で、合計へ加わりません。

符号については、これで読み取れます。残るのは大きさですが、共分散の単位は2つのデータの単位を掛け合わせたものになります。この例なら「時間」と「点」を掛けた単位で、数値の大小をそのまま関係の強さと結びつけることはできません。この不便を解消したのが 相関係数 です。

勉強時間と点数は一緒に動いているか

図の5人について、勉強した時間と点数の偏差を並べます。平均は3時間と6点です。

AさんBさんCさんDさんEさん
勉強した時間(時間)12345
点数(点)34779
時間の偏差−2−1012
点数の偏差−3−2113
偏差の積62016

積の合計は 6+2+0+1+6=15 6+2+0+1+6 = 15 なので、共分散は 15÷5=3 15 \div 5 = 3 です。正の値ですから、勉強した時間が長い人ほど点数も高い傾向がある、と読めます。Cさんは勉強時間がちょうど平均で、図では縦の破線に乗っている点です。時間の偏差が 0 なので積も 0 になります。

逆向きに動く例も見ておきます。ある4日間の最高気温(℃)と、その日に売れたおでんの個数です。平均は13℃と8個でした。

1日目2日目3日目4日目
最高気温(℃)10121416
おでん(個)12965
気温の偏差−3−113
個数の偏差41−2−3
偏差の積−12−1−2−9

積の合計は −12−1−2−9=−24 -12-1-2-9 = -24 、共分散は −24÷4=−6 -24 \div 4 = -6 です。気温が高い日ほどおでんが売れない、という逆向きの関係が、そのまま負の符号に表れています。

入門問題

全 3 問
問 1

2つの数量の共分散が負の値になりました。このデータについて言えることはどれですか。

問 2

5人分のデータについて、2つの偏差の積を合計したら 20 になりました。共分散はいくつですか。

問 3

共分散の値の大きさだけでは、2つの数量の関係の強さを比べられません。その理由として正しいものはどれですか。