共分散は、2つの数量が一緒に動く度合いを表す値です。一方が平均より大きいときにもう一方も平均より大きい、という関係が強いほど大きな正の値になり、逆向きに動く関係なら負の値になります。
求め方は、データごとに2つの 偏差(平均との差)を掛け、その平均をとります。
なぜ掛けるのかは、散布図 を平均の位置で4つに区切ると見えてきます。

青く塗った右上(両方とも平均より大きい)と左下(両方とも小さい)では、2つの偏差の積が正になります。赤い左上と右下では積が負です。正の積の合計が負の積の絶対値合計を上回れば共分散は正、下回れば負になります。各点の積の大きさも関わるため、領域ごとの点数は符号を考える大まかな手掛かりにすぎません。破線上の点は積が0で、合計へ加わりません。
符号については、これで読み取れます。残るのは大きさですが、共分散の単位は2つのデータの単位を掛け合わせたものになります。この例なら「時間」と「点」を掛けた単位で、数値の大小をそのまま関係の強さと結びつけることはできません。この不便を解消したのが 相関係数 です。
図の5人について、勉強した時間と点数の偏差を並べます。平均は3時間と6点です。
| Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | Eさん | |
|---|---|---|---|---|---|
| 勉強した時間(時間) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 点数(点) | 3 | 4 | 7 | 7 | 9 |
| 時間の偏差 | −2 | −1 | 0 | 1 | 2 |
| 点数の偏差 | −3 | −2 | 1 | 1 | 3 |
| 偏差の積 | 6 | 2 | 0 | 1 | 6 |
積の合計は なので、共分散は です。正の値ですから、勉強した時間が長い人ほど点数も高い傾向がある、と読めます。Cさんは勉強時間がちょうど平均で、図では縦の破線に乗っている点です。時間の偏差が 0 なので積も 0 になります。
逆向きに動く例も見ておきます。ある4日間の最高気温(℃)と、その日に売れたおでんの個数です。平均は13℃と8個でした。
| 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | |
|---|---|---|---|---|
| 最高気温(℃) | 10 | 12 | 14 | 16 |
| おでん(個) | 12 | 9 | 6 | 5 |
| 気温の偏差 | −3 | −1 | 1 | 3 |
| 個数の偏差 | 4 | 1 | −2 | −3 |
| 偏差の積 | −12 | −1 | −2 | −9 |
積の合計は 、共分散は です。気温が高い日ほどおでんが売れない、という逆向きの関係が、そのまま負の符号に表れています。
2つの数量の共分散が負の値になりました。このデータについて言えることはどれですか。
5人分のデータについて、2つの偏差の積を合計したら 20 になりました。共分散はいくつですか。
共分散の値の大きさだけでは、2つの数量の関係の強さを比べられません。その理由として正しいものはどれですか。