ひよこ統計

成長率

統計検定2級

成長率は、1期間に増えた量を、その期の初めの値に対する割合で表したものです。計算そのものは 増減率 とまったく同じで、経済や人口のように「伸び」を語る場面ではこちらの呼び方を使います。計算の手順はそちらに譲り、ここでは率で見ることが何をもたらすかに絞ります。

率で見るか、増えた量で見るか。短い期間ならたいした違いにはなりません。毎年5ずつ増える預金と、毎年5%ずつ増える預金を 100 から始めれば、1年目はそろって 105 です。差がつくのは期間が延びてからです。

20年間の推移を比べた折れ線グラフ。実線は毎年5%ずつ増える系列で、100から始まり最初はゆるやかだが年を追うごとに傾きが増し、20年目に約265になる。破線は毎年5ずつ増える系列で、100から200まで一直線に伸びる。5年目あたりまでは2本がほぼ重なっている。
率が一定の場合(実線)と、増える量が一定の場合(破線)

20年後には 200 と 265.3。率が一定でも、増える量そのものは年々ふくらむからです。5%は最初の年には 5 ですが、20年目には 12.6 になります。成長率が変わらないというのは、量が一定のペースで増えるという意味ではなく、前年を土台にして同じ割合ずつ積み上がるという意味です。

毎年の増加が掛け算で積み重なるので、成長率がわずかに違うだけでも長期の差は大きく開きます。毎年2%と毎年4%では1年の差は2ポイント(率どうしの差は「%」ではなく「ポイント」で表します)ですが、35年後には約2倍と約4倍という違いになります。

なお、複数の期間をまとめて1期あたりの平均成長率を出すときは、各期の成長率を足して割ってはいけません。前年を土台に掛け算で積み上がる以上、平均も掛け算でとる必要があり、幾何平均 を使います。

率が同じでも、増える額は毎年ふくらむ

売上 400億円の会社が、毎年5%の成長率で伸びるとします。1年目に増えるのは 400×0.05=20 400 \times 0.05 = 20 億円。2年目は 420億円を土台にするので 420×0.05=21 420 \times 0.05 = 21 億円、3年目は 441億円が土台で 441×0.05=22.05 441 \times 0.05 = 22.05 億円です。率は動いていないのに、増える額のほうは毎年大きくなります。

10年たつと、一定額との差が開く

10年後の売上は 400×1.0510=651.6 400 \times 1.05^{10} = 651.6 億円です。毎年20億円ずつ増えた場合の 400+20×10=600 400 + 20 \times 10 = 600 億円を、50億円あまり上回りました。5年目あたりまでは2つがほとんど重なるので、この違いは短い期間だけを眺めていても見えてきません。

入門問題

全 3 問
問 1

ある会社の売上が、毎年ちょうど 6% の成長率で伸び続けています。毎年増える金額について正しいものはどれですか。

問 2

売上100億円のA社と、売上1000億円のB社が、どちらも成長率 5% でした。1年で増えた金額について正しいものはどれですか。

問 3

毎年 2% で成長する国Aと、毎年 4% で成長する国Bがあります。35年後の倍率はそれぞれ約2倍と約4倍です。ここから言えることはどれですか。