ひよこ統計

標本の大きさ

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「市内の高校生1800人から300人を選んで調査した」。このとき、300 という数のことを何と呼ぶでしょうか。つい「標本が300人」と言ってしまいますが、300 という数そのものは 標本 ではありません。

選ばれた300人の集まりのほうが標本にあたります。標本の大きさと呼ぶのは、その 300 という個数のことで、記号では n n と書きます。同じ言い方で、1800 のほうは 母集団 の大きさになります。

紛らわしいのが「標本数」という言い方です。標本を何組取ったかという意味で使われることもあり、大きさと取り違えられがちです。人数や個数を指すときは「標本の大きさ」と言い切っておくと誤解が起きません。

標本の大きさは、推測の確かさに関わります。単純無作為抽出など同じ条件で比べると、標本平均や標本比率の標準誤差は一般に小さくなります。その目安は有限母集団修正を無視できる場合、おおむね標本の大きさの平方根に反比例します。これは実現した標本誤差が必ず小さくなるという意味ではありません。

大きさが同じでも、選び方が偏っていれば結果は母集団からずれます。そして大きさを増やしても、その偏りは埋め合わせられません。まず公平に選び、そのうえで大きさを考える。この順序は入れ替えられません。

A高校の1年生320人の名簿から、乱数で10人を選びました。母集団の大きさは 320、標本の大きさは 10 です。選ばれた10人の集まりが標本で、10 はその個数を表す数にすぎません。

単純無作為抽出など同じ条件で、有限母集団修正を無視できるとします。標準誤差の目安は標本の大きさの平方根に反比例するので、標本の大きさを 100 から 400 へ4倍にすると 100÷400=0.5 \sqrt{100} \div \sqrt{400} = 0.5 倍になります。実際に得た標本の誤差が必ず半分になるという主張ではありません。

同じ近似条件で標準誤差の目安を100人の場合の4分の1にするには、100 の16倍にあたる 1600 人が必要です。標本調査の設計では、この平方根則を費用との釣り合いを考える目安にします。

入門問題

全 3 問
問 1

市内3校あわせて1800人の高校生から、無作為抽出で300人を選んで調査しました。(ア)市内の高校生1800人全体、(イ)選んだ人数である300、それぞれの呼び方の組合せとして正しいものはどれですか。

問 2

単純無作為抽出など同じ条件で、標準誤差が 1/n1/\sqrt{n} に比例すると近似します。標本の大きさを 100 から 400 に増やすと、標準誤差の目安はどうなりますか。

問 3

ある調査で、答えたい人だけが答える方法で1000人ぶんの回答を集めました。結果が母集団からずれていると分かったとき、大きさを1万人に増やすとどうなりますか。