平均 0・分散 1 の 正規分布 を標準正規分布といい、これに従う確率変数は と書くのが習わしです。数ある正規分布のうちのひとつにすぎませんが、この1本だけが特別扱いされるのには理由があります。
のとき、平均を引いて標準偏差で割った次の は、もとの や が何であっても標準正規分布に従います。

左では3つの山が別々の場所に別々の幅で立っているのに、標準化した右では3本が完全に同じ曲線に重なります(重なっていることが見えるよう、線種を変えて描いてあります)。したがって、正規分布に関する確率の計算は、どんな ・ の問題であっても最終的にこの1本の上での話に帰着します。このおかげで分布ごとに数表を作る必要がなく、標準正規分布表の利用 だけで足ります。
の値そのものにも意味があります。 なら「平均より標準偏差2つぶん上」ということで、もとの単位(cm・点・円)は割り算のところで消えています。単位の違う量どうしを同じ物差しに載せられるのは、この性質によります。
標準正規分布は 0 を中心に左右対称なので、 が成り立ちます。負の側は折り返して読めば足りるので、標準正規分布表には正の側しか載っていません。
ある生徒が数学と英語でどちらも 80 点を取りました。得点だけ見れば互角ですが、2つの試験は難しさが違います。
| 科目 | 平均 | 標準偏差 | この生徒の得点 |
|---|---|---|---|
| 数学 | 60 | 20 | 80 |
| 英語 | 70 | 5 | 80 |
それぞれを自分の試験の平均と標準偏差で標準化します。数学は 、英語は 。同じ 80 点でも、英語のほうが集団の中で倍も上に位置しています。
得点が正規分布に従うとすれば、上位何%かも出せます。数学は で上位16%ほど、英語は で上位2%ほどです。「平均より20点上」と「平均より10点上」を比べて数学のほうが良いと考えるのが、ここでの典型的な早合点になります。
比較するのは平均との差そのものではなく、標準偏差で割った後の値です。英語は全体が平均 70 点のまわりに 5 点幅で密集しているので、そこから10点抜け出すのは大変なことなのです。
のとき、 を標準化した値はいくつですか。
平均も標準偏差も異なる2つの正規分布に従う と について、 と を比べるとどうなりますか。
ある正規分布に従う値を標準化したところ でした。この値が意味するものはどれですか。
平均を引いて標準偏差で割った値が標準正規分布に従う、と言えるのはどのような場合ですか。