身長、測定の誤差、試験の得点。まるで別の話に見えるのに、たくさん集めて ヒストグラム にすると、どれも中央がいちばん高く左右へなだらかに下がる、よく似た山型になります。この形を数式で表したものが正規分布です。
正規分布は平均 と分散 の2つだけで完全に決まり、 と書きます。 が山の位置、 が山の広がりを決め、形そのものは変わりません。
の2つ目に入るのは分散であって標準偏差ではありません。 は分散が9・標準偏差が3という意味です。ここを取り違えると以降の計算がすべてずれます。

図の塗り分けが示すとおり、平均から標準偏差1つぶんの範囲に約68%、2つぶんに約95%、3つぶんに約99.7%が入ります。この割合は と がいくつであっても変わりません。だからこそ「平均から標準偏差の何倍離れているか」だけで話が通じます。
その「何倍か」に直す操作が 標準化(z得点) です。あちらは手元のデータを標本平均と標本標準偏差で割る話でしたが、ここでは分布そのものの と を使います。 のとき、次の は平均0・分散1の正規分布、すなわち 標準正規分布 に従います。
確率を求める手順は、これで一本道になります。知りたい値を に直し、標準正規分布表からその確率を読む——ただそれだけです。分布が違っても表は1つで足ります。
もう1つ、正規分布には扱いやすい性質があります。独立な正規分布どうしを足しても、やはり正規分布になることです。平均は平均の和、分散は分散の和になります。ここで足すのは分散であって標準偏差ではない、という点が繰り返し問われます。
受験者398,447人、平均51.20点、標準偏差18.71点の試験で88点を取りました。得点が正規分布に従うとして、およそ何位にあたるでしょうか。
まず標準化します。。平均より標準偏差1.97個ぶん上、ということです。標準正規分布表から 、つまり上位2.44%にあたります。
確率が出たら人数へ戻します。 人が88点以上なので、順位はおよそ1万位です。88点という数字だけでは「高いのだろう」までしか言えませんが、平均と標準偏差を添えると位置が数で決まります。
5秒間に歩く距離が平均6m・標準偏差0.5mの正規分布に従い、各5秒間は独立だとします。20秒、つまり4区間ぶんではどれだけ進むでしょうか。
平均は素直に足して m。分散は1区間ぶんが なので、足して 。よって合計距離は に従い、標準偏差は mです。
ここで標準偏差のほうを4倍して2mとしてはいけません。足し合わせてよいのは分散で、標準偏差は最後に平方根で戻します。結果として、4区間ぶんに増えても散らばりは2倍()にとどまります。距離が4倍になるのに対して、ぶれは 倍どまり。この「平均は 倍・ぶれは 倍」という差が、のちに標本平均を扱うときの土台になります。
22m以上進む確率も出せます。 なので 。左右対称なので 、およそ98%です。
を標準正規分布に直す変換として正しいものはどれですか。
平均500g・標準偏差20gの正規分布に従う製品から1個を選ぶとき、重さが540g以上である確率に最も近いものはどれですか。
1個の重さが平均10g・標準偏差2gの正規分布に従い、互いに独立な品物を4個まとめます。合計の重さが従う分布はどれですか。
正規分布について正しい説明はどれですか。