ひよこ統計

系統抽出法

統計検定2級

名簿の7番目、27番目、47番目——20人ごとに機械的に拾っていきます。こうして選んだ標本は、無作為抽出 によるものといえるでしょうか。

条件つきでいえます。その条件とは、出発点の 7 を無作為に決めていることです。名簿に通し番号を振り、最初の1つだけを乱数で選んだら、あとは一定の間隔で拾う。この方法を系統抽出法といいます。

k=Nnk = \frac{N}{n}
k k :抽出間隔(何人ごとに選ぶか)、N N :母集団の大きさ、n n :標本の大きさ
  1. 母集団の全員に 1 から N N までの通し番号を振る
  2. 抽出間隔 k k を計算する
  3. 1 から k k までの整数を1つ無作為に選び、出発点とする
  4. 出発点から k k ずつ足した番号を、必要な数だけ拾う

N N が n n で割り切れるなら、一人ひとりが選ばれる確率は nN \frac{n}{N} で等しくなり、標本の大きさ もあらかじめ決めた数にぴたりと収まります。乱数を発生させるのは一度きりで、単純無作為抽出のように同じ番号を引き直す必要もありません。ただし単純無作為抽出と同じではありません。出発点が決まれば残りも決まるので、起こりうる標本の顔ぶれは k k 通りしかなく、隣り合う2人が同時に選ばれることもないからです。

もっとも、この手軽さが偏りに変わる場合があります。並び順に周期があると、拾う位置がその周期に噛み合ってしまうためです。

1000人の名簿から50人を拾う

抽出間隔は k=100050=20 k = \frac{1000}{50} = 20 。1 から 20 までの整数を無作為に1つ選んだところ 7 だったとすると、選ばれるのは 7, 27, 47 と20ずつ増えていく番号です。最後は 7+20×49=987 7 + 20 \times 49 = 987 番で、ちょうど50人になります。乱数を使ったのは、最初の 7 を決めた一度きりです。

間隔が名簿の周期と噛み合うとき

5階建て・各階20戸、計100戸の集合住宅で、10戸を選んで世帯人数を調べます。抽出間隔は k=10010=10 k = \frac{100}{10} = 10 。部屋番号は1階の1番から順に振られているとします。

出発点が 1 なら、選ばれるのは 1, 11, 21, 31 と10ずつ増えていく番号です。各階には20戸あるので、これはどの階でも「1番目の部屋」と「11番目の部屋」だけを選んでいることになります。部屋の位置で間取りや向きが決まっているなら、標本にはその2種類の部屋しか入りません。広い部屋がその位置にあたっていれば、世帯人数は多めに出るはずです。

偏りの原因は間隔そのものではなく、名簿の並びが持つ20戸周期と、間隔 10 が噛み合った点にあります。したがって抽出の前に並び順を確かめ、周期がありそうなら、名簿を並べ替えてから間隔を刻むか、層化抽出法 のように別の分け方に切り替えます。

入門問題

全 3 問
問 1

系統抽出法の手続きとして正しいものはどれですか。

問 2

5000人の名簿から200人を系統抽出します。抽出間隔と、出発点が8番だったときに2人目として選ばれる番号の組合せとして正しいものはどれですか。

問 3

各階20戸・5階建て、計100戸の集合住宅で、部屋番号を1番から順に振りました。1 から 10 までの整数から無作為に出発点を決め、そこから10戸ごとに計10戸を選んで調査します。この抽出の問題点として最も適切なものはどれですか。