身長・体重・握力・50m走のタイム。変数が4つあると、相関係数 の組み合わせは 通りになります。「身長と体重は 0.72、身長と握力は 0.65、身長とタイムは −0.42、体重と握力は 0.58、……」と書き並べていっても、どれが強いのかを見比べる作業にはとても耐えません。
相関行列は、この6個の値を1枚に収める形式です。行と列に同じ順序で変数を並べ、行の変数と列の変数の相関係数をその交点に置きます。
対角線上のセルは自分自身との相関係数にあたるので、値は必ず 1 になります。また と の相関係数は と の相関係数と同じ値ですから、対角線をはさんだ左下と右上は鏡のように一致します。そのため、資料によっては下半分だけを示して残りを省くこともあります。
さきほどの4つの変数を、実際に相関行列にまとめてみます。
| 身長 | 体重 | 握力 | 50m走タイム | |
|---|---|---|---|---|
| 身長 | 1.00 | 0.72 | 0.65 | −0.42 |
| 体重 | 0.72 | 1.00 | 0.58 | −0.20 |
| 握力 | 0.65 | 0.58 | 1.00 | −0.55 |
| 50m走タイム | −0.42 | −0.20 | −0.55 | 1.00 |
縦に1本たどれば、その変数がほかのすべてとどう関わるかが一目で追えます。最も強く関係しているのは身長と体重の 0.72 です。いっぽう50m走のタイムは、どの変数とのあいだでも負の値になっています。
ここで「負だから体力とは逆の関係だ」と早合点してはいけません。タイムは小さいほど速い値です。握力とタイムの −0.55 は、握力の強い生徒ほどタイムが小さい、つまり速いという関係を表しています。負の符号が何を意味するかは、変数の測り方しだいで裏返ります。
相関行列は関係の強さを一覧にするだけの表で、どちらが原因かについては何も語りません。値の大きい組を見つけたら 散布図 に戻り、点が本当に直線状に並んでいるかを確かめる——という順序を踏みます。
相関行列の対角線上に並ぶ値はいくつになりますか。
5つの変数から作った相関行列について、正しい説明はどれですか。
ある喫茶店で、日ごとの気温・温かい飲み物の売上・冷たい飲み物の売上を記録し、相関行列にまとめました。最も強く関係している2変数の組はどれですか。
| 気温 | 温かい飲み物 | 冷たい飲み物 | |
|---|---|---|---|
| 気温 | 1.00 | −0.85 | 0.70 |
| 温かい飲み物 | −0.85 | 1.00 | −0.60 |
| 冷たい飲み物 | 0.70 | −0.60 | 1.00 |
ある相関行列で、握力と50m走タイムの相関係数が −0.55 でした。この値の解釈として正しいものはどれですか。なお、タイムは小さいほど速いものとします。