偏相関係数は、2つの変数から第3の変数による線形予測分をそれぞれ取り除き、残った成分どうしの 相関係数 を測るものです。第3の変数を一定にしたときの線形的な関連を記述しますが、それだけで直接効果や因果経路を表すわけではありません。

図の3本の線は、それぞれ と 、 と 、 と のペア相関を表します。 と をそれぞれ から線形予測し、その残差どうしの相関を求めると、 に対する線形な違いをそろえた関連を記述できます。取り除きたい変数を とすると、偏相関係数は次の式です。
この式は、 と から による線形予測分を除いた残差を、それぞれの残差の標準偏差でそろえて相関を取る計算に対応します。 または なら一方の残差分散が 0 になり、分母も 0 になるため偏相関係数は定義できません。
偏相関係数が 0 に近くても、2つの変数が無関係と決まったわけではありません。 をそろえると直線的な関係が残らない、というだけのことで、曲線的な関係までは否定できません。そして、これはあくまで計算のうえで の条件をそろえた値であり、因果関係 を確かめたことにはなりません。値が小さくなった場合に疑うべきは、擬相関 だったのではないか、というところまでです。
数学の得点を 、理科の得点を 、1週間の勉強時間を とします。勉強時間との相関係数が 、 だったとしましょう。このとき分母は で、以下の2つの場合に共通です。
数学と理科の相関係数が だったとします。分子は となり、偏相関係数は 0 です。これは勉強時間による線形予測分を数学・理科の得点からそれぞれ除くと、残差のあいだに直線的な関係が残らないことを示します。勉強時間を経由する因果関係だけで元の相関が生じた、とまではこの計算だけでは断定できません。
同じ勉強時間との相関のもとで、数学と理科の相関係数が だったとします。分子は なので、偏相関係数は になります。勉強時間で説明できる分を差し引いても、なお中程度の関係が残っているということです。
もとの相関係数はどちらも正の値で、大きさも 0.48 と 0.72 でそう離れてはいません。それでも勉強時間を取り除くと、一方は消え、もう一方は残りました。相関係数だけを見て「関係がある」と言い切れないのは、こうした場合があるためです。
偏相関係数が表しているものはどれですか。
相関係数が、x と y で 0.48、x と z で 0.6、y と z で 0.8 でした。z を取り除いた x と y の偏相関係数はいくつですか。
2変数の相関係数は 0.6 と大きかったのに、ある変数を取り除いた偏相関係数はほぼ 0 になりました。この結果の説明として最も適切なものはどれですか。
ある変数を取り除いた偏相関係数が 0.5 と、はっきりした値で残りました。ここから言えることはどれですか。