ひよこ統計

層別した散布図

統計検定2級

同じチェーンの28店舗について、1か月の広告費と1日の平均来店客数を 散布図 に打ちました。次の図の左側です。点はきれいに右上がりに並び、相関係数 は 0.91 になります。

同じ28店舗のデータを2通りに描いた散布図。左「層別しない」は全点を1色で打ち、右上がりの破線が引かれている。右「立地で層別した」は同じ点を都市部の店(丸)と郊外の店(四角)に分けており、都市部は広告費44〜62万円・客数900〜1100人の右上の位置、郊外は広告費12〜30万円・客数390〜620人の左下の位置にそれぞれ固まり、各層に引かれた傾向線はどちらもほぼ水平。
同じデータを層別しない場合(左)と、立地で層別した場合(右)

右側は、まったく同じ28点を立地——都市部か郊外か——で印を分けて描き直したものです。これが層別した散布図です。立地のような 質的変数 でデータをいくつかのグループに分け、グループごとに印や色を変えて描きます。分けてできた一つひとつのグループが層です。

分けたとたん、右上がりは消えてしまいました。層の中で相関係数を計算すると都市部が −0.01、郊外が 0.06 で、どちらもほぼ 0 です。左の図の右上がりは、広告費も客数も大きい都市部の集まりと、どちらも小さい郊外の集まりが離れた位置に置かれていたために生まれたものでした。

ただし、ここから「広告費に効果はない」と結論するのは行きすぎです。層の中では広告費の幅が狭く、差が現れにくいという事情も考えられます。層別した散布図が教えてくれるのは、全体で見えていた関係のうちどれだけが層の違いによるものか、という一点であり、擬相関 を疑うための手がかりにあたります。

層別の結果は、どの変数で分けたかによって変わります。さきほどの28店舗を、立地とは別の観点でも2つに分け、それぞれの層の中で相関係数を計算してみます。まず立地で分けた場合。

立地で層別
都市部の店郊外の店
層の中の相関係数−0.010.06

つぎに、開店からの年数で分けた場合。

開店年数で層別
5年未満の店5年以上の店
層の中の相関係数0.880.93

立地で分けると層の中の相関はほぼ消えました。一方、開店年数で分けた層の相関は 0.88 と 0.93 で、全体の 0.91 と強さが大きく変わりませんでした。この相関係数だけから、開店年数が2変数の関係に関与していないとまでは断定できません。層別散布図で層ごとの位置、範囲、傾きを直接見比べ、何が変わったかを確認します。

入門問題

全 3 問
問 1

層別した散布図の説明として正しいものはどれですか。

問 2

ある散布図は全体では強い右上がりですが、地域で層別すると、どの層の中でも点はほぼ横ばいでした。この結果の読み取りとして最も適切なものはどれですか。

問 3

ある2変数を性別で層別したところ、男女どちらの層の中でも、全体と同じくらい強い正の相関が残りました。この層別から言えることはどれですか。