ひよこ統計

相関係数

統計検定3級統計検定2級

次の4枚は、どれも同じ範囲に40個の点を打った 散布図 です。左上ははっきり右上がりに並び、右下ははっきり右下がり、残る2枚はその中間です。この「並び方の向きと、直線への集まり具合」を1つの数値で表したものが相関係数で、各図に添えた r r がその値です。

4枚の散布図を2行2列に並べた図。左上は右上がりに直線状に並び r = 0.95、右上はゆるく右上がりだがばらつきが大きく r = 0.46、左下は向きが定まらず散らばっていて r = 0.02、右下は右下がりに直線状に並び r = −0.89。
相関係数の値と点の並び方の対応

両方の標準偏差が0でないとき、相関係数を定義できます。符号が関係の向きを、絶対値が直線的な関係の強さを表します。0.9 あたりならはっきりした直線、0.5 あたりなら傾向は見えるがばらつきも大きく、0 に近ければ向きが定まりません。値は必ず −1 以上 1 以下に収まり、1 や −1 に近いほど点が直線に近く並びます。

この値は、共分散 を2つの 標準偏差 の積で割って求めます。どちらかの標準偏差が0なら分母が0になるため、相関係数は定義できません。両方が0でなければ単位が打ち消され、同じ物差しで読めるようになります。

r=sxysx syr = \frac{s_{xy}}{s_x \, s_y}
r r :相関係数、sxy s_{xy} :共分散、sx, sy s_x,\ s_y :それぞれの標準偏差(sx>0, sy>0 s_x>0,\ s_y>0 )

分散と共分散から求める

数学と理科の得点について、数学の分散が 100、理科の分散が 64、2教科の共分散が 48 だったとします。

標準偏差は 分散 の正の平方根なので、数学は 100=10 \sqrt{100} = 10 点、理科は 64=8 \sqrt{64} = 8 点です。相関係数は 48÷(10×8)=0.6 48 \div (10 \times 8) = 0.6 となります。上の図でいえば左上と右上のあいだ、右上寄りの散らばり方です。

ここで分散のまま 48÷(100×64) 48 \div (100 \times 64) としてしまうのが、よくある誤りです。割るのは標準偏差の積であって、分散の積ではありません。

全員に同じ点を足しても変わらない

採点ミスが見つかり、数学の得点を全員に一律5点加えたとします。このとき平均も5点上がるので、各人の偏差(平均との差)は1つも変わりません。共分散も標準偏差も偏差だけから計算されるため、相関係数は 0.6 のままです。

同じ理由で、単位を cm から m に変えるような正の数の掛け算でも値は変わりません。一方、対象ごとに違う数で割る変換——たとえば都道府県別の自動車の台数を「人口1千人当たり」に直す——では、人口の多い県ほど強く縮むので、県ごとの偏差の並びが変わります。この場合は相関係数も変わります。

入門問題

全 3 問
問 1

相関係数がとりうる値の範囲として正しいものはどれですか。

問 2

共分散が 15、一方の標準偏差が 5、もう一方の標準偏差が 6 のとき、相関係数はいくつですか。

問 3

2教科の得点の相関係数が 0.6 でした。採点の修正で、片方の教科だけ全員に一律5点を加えると、相関係数はどうなりますか。