2つの事象がともに起こる確率を、片方の確率と、それが起こったもとでのもう片方の 条件付き確率 の積で組み立てる——この関係を乗法定理といいます。
最初の分解は のとき、条件付き確率の定義 の両辺に を掛けたものです。同様に、後の分解で を使うには が必要です。確率0の事象を条件とする比による条件付き確率は定義できません。
そのため、樹形図の枝をたどる計算はすべて乗法定理です(樹形図)。1段目の枝の確率に、その枝の先での2段目の確率を掛ける、という手順がそのまま にあたります。
A と B が独立で なら なので、式は に縮みます。積による独立の定義 自体は、確率0の事象にも使えます。
上の式には と の2通りの分解があり、値はどちらでも同じです。実際の計算では、手元で分かっている確率のほうを先に置くと手数が減ります。
ある検定試験の受験者のうち、対策講座を受講したのは20%でした。合格率は、受講した人では70%、受講しなかった人では30%です。受験者から1人を無作為に選んだとき、その人が「対策講座を受講し、かつ合格した」確率を求めます。
分かっているのは受講率 と、受講したという条件のもとでの合格率 です。この向きで分解すればよいので 、14%となります。
ここで 0.7 をそのまま答えにしないことです。0.7 は受講者のなかでの割合であって、受験者全体のなかでの割合ではありません。受験者全体を見渡した割合にするには、受講者が2割しかいないことを掛け合わせる必要があります。
同じ要領で「受講せず、かつ合格した」確率は です。合格者は全体の にあたる、と道筋が延びていきます。このように場合を尽くして足し上げる形を全確率の公式といい、ベイズの定理 の分母はまさにこれです。
6枚のカードのうち2枚が当たりです。3人が順に1枚ずつ引き、引いたカードは戻しません。3人とも外れる確率を求めます。
1人目が外れる確率は、外れが4枚あるので 。1人目が外れたという条件のもとで2人目も外れる確率は、残り5枚・外れ3枚で 。2人続けて外れたなら、3人目は残り4枚・外れ2枚で です。掛け合わせて 。
段階が増えても、直前までの結果を条件に入れた確率を次々に掛けていくだけです。分母も分子も1枚ずつ減っていくところが、独立な場合との違いになります。もしカードを戻すなら3回とも のままなので となり、答えは変わります。
、 のとき、 はどれですか。
ある部品がA工場で作られる確率は 0.4 で、A工場製の部品の不良率は 0.05 です。無作為に選んだ1個が「A工場製かつ不良品」である確率はどれですか。
8個のうち3個が当たりの品が入った箱から、戻さずに2個続けて取り出します。2個とも当たりである確率はどれですか。
とします。乗法定理 は、A と B が独立であるときどのような形になりますか。