ひよこ統計

条件付き確率

統計検定3級統計検定2級

40人のクラスで、部活に入っているのは30人でした。加入率は 3040=0.75 \frac{30}{40} = 0.75 です。ところが電車通学の20人にかぎって数え直すと、部活に入っているのは12人しかおらず、1220=0.6 \frac{12}{20} = 0.6 まで下がります。同じクラスの同じ調査から、見る範囲を変えただけで別の数字が出てきました。

このように、事象 A A が起こったと分かっている条件のもとで事象 B B が起こる確率を条件付き確率といい、P(B∣A) P(B \mid A) と書きます。

P(B∣A)=P(A∩B)P(A)P(B \mid A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)}
P(B∣A) P(B \mid A) :A が起こったという条件のもとで B が起こる確率、P(A∩B) P(A \cap B) :A と B がともに起こる確率、P(A) P(A) :A が起こる確率(0 であってはならない)

分母が全体から A A に取り替わっている、というのがこの式の意味です。数え上げの言葉に直せば「A A の中で B B にも当てはまる個数 ÷ A A の個数」で、考える世界そのものが A A に狭まったと見ると分かりやすくなります。

P(B∣A) P(B \mid A) と P(A∣B) P(A \mid B) は別物です。分母が違うので、値も一般には違います。「電車通学の人が部活に入っている割合」と「部活に入っている人が電車通学である割合」は、まったく別の数字です。この取り違えは統計の誤読でもっとも多いものの1つで、片方から他方を求めるには ベイズの定理 が要ります。

なお、上の式の両辺に P(A) P(A) を掛けると P(A∩B)=P(A)P(B∣A) P(A \cap B) = P(A) P(B \mid A) となります。同時に起こる確率を、条件付き確率を使って組み立てる形で、乗法定理 と呼ばれます。逆に P(B∣A)=P(B) P(B \mid A) = P(B) が成り立つ、つまり条件を付けても確率が変わらないとき、2つの事象は独立です(独立な試行)。

表から条件付き確率を読み取る

40人のクラスについて、通学手段と部活加入を クロス集計表 にまとめました。

部活に入っている入っていない合計
電車12820
自転車・徒歩18220
合計301040

電車通学であるという条件のもとで部活に入っている確率は、電車通学の20人だけを見ればよいので 1220=35 \frac{12}{20} = \frac{3}{5} です。

向きを逆にすると数字も変わります。部活に入っているという条件のもとで電車通学である確率は、部活加入の30人が分母になるので 1230=25 \frac{12}{30} = \frac{2}{5} です。分子はどちらも「電車通学かつ部活加入」の12人で同じですが、分母が 20 と 30 で入れ替わったぶんだけ値が違います。

条件が付くと確率が変わる場合・変わらない場合

当たり3本・はずれ7本の計10本のくじを、2人が順に1本ずつ引きます。引いたくじは戻しません。2人目が当たる確率は、1人目の結果を知っているかどうかで変わります。

1人目が当たりだったと分かっていれば、残りは9本・当たり2本なので 29 \frac{2}{9} 。1人目がはずれだったなら、残りは9本・当たり3本で 39=13 \frac{3}{9} = \frac{1}{3} です。条件によって確率が変わっており、独立ではありません。

いっぽう引いたくじを戻すなら、1人目が何を引こうと2人目の袋の中身は10本・当たり3本のままで、条件付き確率はどちらの条件でも 310 \frac{3}{10} です。条件を書き足しても値が動かないなら、その条件は2人目について何も教えてくれていない、ということになります。

入門問題

全 4 問
問 1

40人のクラスのうち電車通学は20人で、そのうち部活に入っているのは12人です。電車通学であるという条件のもとで、部活に入っている確率はどれですか。

問 2

P(A)=0.5 P(A) = 0.5 、P(A∩B)=0.2 P(A \cap B) = 0.2 のとき、条件付き確率 P(B∣A) P(B \mid A) はどれですか。

問 3

当たり3本・はずれ7本の計10本のくじを、2人が順に1本ずつ引きます(引いたくじは戻しません)。1人目が当たりだったとき、2人目が当たる確率はどれですか。

問 4

条件付き確率 P(B∣A) P(B \mid A) と P(A∣B) P(A \mid B) の関係として正しいものはどれですか。