公的統計とは、国の行政機関・地方公共団体などが作成する統計のことです。統計法という法律に基づいて作られ、社会全体で使える情報として公表されます。なかでも特に重要なものは基幹統計に指定されており、国勢調査・家計調査・労働力調査・学校基本調査などが含まれます。
調べたいことが決まったとき、いきなり自分で調査を設計する必要はありません。人口・世帯・雇用・物価といった基本的な事柄は、すでに国が調べています。同じ規模の調査を自前で行うのは費用の面でまず無理なので、まず公的統計を探すのが順序です。
公的統計は、政府統計の総合窓口である e-Stat にまとめて公開されています。多くは表計算ソフトで読める形式で配布され、集計表だけでなく調査の設計や用語の定義も添えられています。
公的統計だからといって、すべてが 全数調査 とは限りません。国勢調査は日本に住むすべての人が対象ですが、家計調査は全国から抽出した約9千世帯を対象とする 標本調査 です。「国が調べたのだから全員ぶんの数字だ」と決めてかからず、その統計がどちらなのかを確かめます。
使うときは、調査時点・対象範囲・用語の定義をそろえることが要ります。同じ「世帯」でも統計によって単身者や施設入居者の扱いが違うことがあり、定義の違う数字どうしを引き算すると意味を失います。
代表的な公的統計を、実施している機関と調べ方で並べてみます。
| 統計の名前 | 実施機関 | 調べ方 | 周期 |
|---|---|---|---|
| 国勢調査 | 総務省 | 全数調査 | 5年ごと |
| 学校基本調査 | 文部科学省 | 全数調査 | 毎年 |
| 家計調査 | 総務省 | 標本調査 | 毎月 |
| 労働力調査 | 総務省 | 標本調査 | 毎月 |
| 毎月勤労統計調査 | 厚生労働省 | 標本調査 | 毎月 |
実施機関は、扱う分野からおおよそ見当がつきます。学校のことは文部科学省、働く人の賃金や労働時間は厚生労働省、そして人口や家計といった社会全体の基礎的な事柄は総務省です。総務省に集まっているのは、統計の作成を担う統計局が置かれているためです。
調べ方にも理由があります。国勢調査は人口という基礎の数字を確定させるため全数で行いますが、そのぶん費用が大きく5年に一度しかできません。家計や雇用は毎月の動きを追う必要があるので、標本調査にして頻度を優先しています。全数か標本かは調査の優劣ではなく、何を優先したかの結果です。
公的統計のうち「基幹統計」にあたるものの説明として、最も適切なものはどれですか。
家計の収入・支出を毎月調べる「家計調査」を実施している国の機関はどれですか。
2つの公的統計に載っている世帯数を引き算して、その差を分析に使おうとしています。まず確かめるべきことはどれですか。