回帰直線 の形を決めているのは、傾き と切片 の2つの数値です。この2つを合わせて回帰係数といいます。直線の引き方そのものは 最小二乗法 が決めるので、ここでは決まった2つの数値が何を語っているかを読み取ります。
傾き は変化の割合です。 が1増えると、予測値 はちょうど だけ動きます。割合である以上 には単位が付き、その単位は の単位を の単位で割った形になります。
切片 は を代入したときの値で、直線が縦軸と交わる高さにあたります。散布図 のいちばん左にある点の だと早合点してはいけません。次の表で、2つの数値の読み方を具体的な式に当てて確かめます。
| 傾き | 切片 | |
|---|---|---|
| 表すもの | が1増えたときの の変化量 | のときの |
| 単位 | の単位 ÷ の単位 | と同じ単位 |
| 気温(℃)から来客数(人)を予測する では | 気温が1℃上がるごとに来客が 3 人増えると予測される | 気温 0℃での予測来客数が 40 人 |
切片が現実の解釈を持たない場合もあります。 が身長(cm)で が体重(kg)なら、 は「身長 0 cm の人の体重」という起こりえない値です。切片は直線の高さを決めるための数値であり、 がデータの範囲から遠いときは、その値に現実の意味を読み込まないようにします。
相関係数 との違いにも注意が必要です。相関係数は と を入れ替えても同じ値ですが、回帰係数はどちらからどちらを予測する式かで値が変わります。軸を取り違えると、傾きの大きさも単位も別のものになってしまいます。
家庭学習の時間 (時間)と小テストの点数 (10点満点)の散布図に直線を当てはめたところ、その直線は で 、 で を通りました。
傾きは の変化を の変化で割って です。学習時間が1時間増えるごとに点数が2点上がる、と予測する式になっており、単位は「点÷時間」です。
切片は のときの ですから、通る点1つと傾きから逆算します。 の点を使うと となり、直線は と決まりました。 を入れると で、もう一方の点にも合っています。
ここで、いちばん左の点の をそのまま切片とみて としてしまうのが定番の誤りです。この点の は 0 ではなく 1 です。ここから1時間ぶんの変化 2 点を差し引いた が、求める切片でした。
回帰直線 で、傾き が表すものとして最も適切なものはどれですか。
ある回帰直線 は傾きが で、 のとき となる点を通ります。切片 の値はどれですか。
気温 (℃)から、ある店で売れたアイスの本数 (本)を予測する式 が得られました。この式の読み取りとして正しいものはどれですか。