ひよこ統計

回帰係数

統計検定3級統計検定2級

回帰直線 y^=a+bx \hat{y} = a + bx の形を決めているのは、傾き b b と切片 a a の2つの数値です。この2つを合わせて回帰係数といいます。直線の引き方そのものは 最小二乗法 が決めるので、ここでは決まった2つの数値が何を語っているかを読み取ります。

y^=a+bx\hat{y} = a + bx
y^ \hat{y} :直線から予測される y y の値、x x :予測のもとにする数量、b b :傾き、a a :切片

傾き b b は変化の割合です。x x が1増えると、予測値 y^ \hat{y} はちょうど b b だけ動きます。割合である以上 b b には単位が付き、その単位は y y の単位を x x の単位で割った形になります。

切片 a a は x=0 x=0 を代入したときの値で、直線が縦軸と交わる高さにあたります。散布図 のいちばん左にある点の y y だと早合点してはいけません。次の表で、2つの数値の読み方を具体的な式に当てて確かめます。

傾き b b 切片 a a
表すものx x が1増えたときの y y の変化量x=0 x=0 のときの y y
単位y y の単位 ÷ x x の単位y y と同じ単位
気温(℃)から来客数(人)を予測する y^=40+3x \hat{y} = 40 + 3x では気温が1℃上がるごとに来客が 3 人増えると予測される気温 0℃での予測来客数が 40 人

切片が現実の解釈を持たない場合もあります。x x が身長(cm)で y y が体重(kg)なら、a a は「身長 0 cm の人の体重」という起こりえない値です。切片は直線の高さを決めるための数値であり、x=0 x=0 がデータの範囲から遠いときは、その値に現実の意味を読み込まないようにします。

相関係数 との違いにも注意が必要です。相関係数は x x と y y を入れ替えても同じ値ですが、回帰係数はどちらからどちらを予測する式かで値が変わります。軸を取り違えると、傾きの大きさも単位も別のものになってしまいます。

学習時間と小テストの点数を結ぶ直線を読む

家庭学習の時間 x x (時間)と小テストの点数 y y (10点満点)の散布図に直線を当てはめたところ、その直線は x=1 x=1 で y=4 y=4 、x=4 x=4 で y=10 y=10 を通りました。

傾きは y y の変化を x x の変化で割って (10−4)÷(4−1)=2 (10-4) \div (4-1) = 2 です。学習時間が1時間増えるごとに点数が2点上がる、と予測する式になっており、単位は「点÷時間」です。

切片は x=0 x=0 のときの y y ですから、通る点1つと傾きから逆算します。x=1 x=1 の点を使うと a=4−2×1=2 a = 4 - 2 \times 1 = 2 となり、直線は y^=2+2x \hat{y} = 2 + 2x と決まりました。x=4 x=4 を入れると 2+2×4=10 2 + 2 \times 4 = 10 で、もう一方の点にも合っています。

ここで、いちばん左の点の y y をそのまま切片とみて a=4 a = 4 としてしまうのが定番の誤りです。この点の x x は 0 ではなく 1 です。ここから1時間ぶんの変化 2 点を差し引いた 4−2=2 4 - 2 = 2 が、求める切片でした。

入門問題

全 3 問
問 1

回帰直線 y^=a+bx \hat{y} = a + bx で、傾き b b が表すものとして最も適切なものはどれですか。

問 2

ある回帰直線 y^=a+bx \hat{y} = a + bx は傾きが b=3 b = 3 で、x=2 x = 2 のとき y=7 y = 7 となる点を通ります。切片 a a の値はどれですか。

問 3

気温 x x (℃)から、ある店で売れたアイスの本数 y y (本)を予測する式 y^=2+5x \hat{y} = 2 + 5x が得られました。この式の読み取りとして正しいものはどれですか。