偏差 はもとの単位のままなので、「平均より10だけ上」と言われても、それが大きいのか小さいのかは集団の散らばり方しだいです。標準偏差が0でないデータでは、偏差を 標準偏差 で割れば「標準偏差いくつぶん離れているか」という単位のない数値になります。この操作を標準化、得られた値をz得点といいます。すべて同じ値で標準偏差が0なら、z得点は定義できません。
z得点が 1 なら平均より標準偏差1つぶん上、−2 なら2つぶん下です。単位が消えるので、記録の長さと握力のように尺度そのものが違うものでも、位置を並べて比べられます。
標準化しても分布の形は変わりません。変わるのは目盛りだけです。次の図は、5個の製品の重さを数直線に打ち、下の軸をもとの単位(g)、上の軸を z得点にしたものです。

標準偏差が0でないデータを標準化すると、平均は 0、標準偏差は 1 になります。この条件のもとで、異なる単位のデータを共通の目盛りに載せ替えられます。
ただし読み取れるのは、あくまでその集団の中での位置です。同じ人が受けた2科目のように集団が共通していれば、z得点を並べる意味があります。反対に、受験者の違う2つの試験では基準そのものが別なので、z得点が同じでも意味は同じになりません。なお 偏差値 は、この z得点を10倍して50を足し、負の数や小数が出にくい目盛りに直したものです。
ある選手が、走り幅跳びで 5.8m、握力で 39kg を記録しました。チーム全体の平均と標準偏差は、走り幅跳びが 5.0m と 0.4m、握力が 30kg と 6kg です。
平均を上回った量は、走り幅跳びが 0.8m、握力が 9kg。m と kg なので、この2つを直接比べることはできません。そこで z得点にすると、走り幅跳びが 、握力が となり、チームの中での位置は走り幅跳びのほうが上だと分かります。
図に使った5個の製品の重さ(g)は 95, 97, 99, 103, 106 です。平均は 100g、偏差は 、2乗の合計は なので分散は 、標準偏差は 4g です。
各偏差を 4 で割ると、z得点は になります。合計は 0 なので平均も 0。2乗の合計は で、分散は 、標準偏差も 1 です。もとが何グラムのデータであっても、標準化した後は必ずこの形になります。
あるデータの z得点が 2 でした。この値が意味することはどれですか。
平均 50・標準偏差 8 のデータで、値が 42 であるデータの z得点はいくつですか。
標準偏差が0でないデータを標準化したあと、その平均と標準偏差はそれぞれいくつになりますか。