ひよこ統計

標準化(z得点)

統計検定2級

偏差 はもとの単位のままなので、「平均より10だけ上」と言われても、それが大きいのか小さいのかは集団の散らばり方しだいです。標準偏差が0でないデータでは、偏差を 標準偏差 で割れば「標準偏差いくつぶん離れているか」という単位のない数値になります。この操作を標準化、得られた値をz得点といいます。すべて同じ値で標準偏差が0なら、z得点は定義できません。

z=x−xˉsz = \frac{x - \bar{x}}{s}
z z :z得点、x x :もとの値、xˉ \bar{x} :平均、s s :標準偏差(s>0 s>0 )

z得点が 1 なら平均より標準偏差1つぶん上、−2 なら2つぶん下です。単位が消えるので、記録の長さと握力のように尺度そのものが違うものでも、位置を並べて比べられます。

標準化しても分布の形は変わりません。変わるのは目盛りだけです。次の図は、5個の製品の重さを数直線に打ち、下の軸をもとの単位(g)、上の軸を z得点にしたものです。

5個の製品の重さを1本の数直線上に打った図。下の軸は92gから108gまでの重さの目盛り、上の軸は−2から2までのz得点の目盛りで、点の位置は同じまま2種類の目盛りが当てられている。平均100gの位置に破線が引かれ、そこが上の軸では0に当たる。
点はまったく動かず、目盛りだけが付け替わる(平均が 0、標準偏差1つぶんが 1 の目盛り)

標準偏差が0でないデータを標準化すると、平均は 0、標準偏差は 1 になります。この条件のもとで、異なる単位のデータを共通の目盛りに載せ替えられます。

ただし読み取れるのは、あくまでその集団の中での位置です。同じ人が受けた2科目のように集団が共通していれば、z得点を並べる意味があります。反対に、受験者の違う2つの試験では基準そのものが別なので、z得点が同じでも意味は同じになりません。なお 偏差値 は、この z得点を10倍して50を足し、負の数や小数が出にくい目盛りに直したものです。

単位の違う記録を並べて比べる

ある選手が、走り幅跳びで 5.8m、握力で 39kg を記録しました。チーム全体の平均と標準偏差は、走り幅跳びが 5.0m と 0.4m、握力が 30kg と 6kg です。

平均を上回った量は、走り幅跳びが 0.8m、握力が 9kg。m と kg なので、この2つを直接比べることはできません。そこで z得点にすると、走り幅跳びが (5.8−5.0)÷0.4=2.0 (5.8 - 5.0) \div 0.4 = 2.0 、握力が (39−30)÷6=1.5 (39 - 30) \div 6 = 1.5 となり、チームの中での位置は走り幅跳びのほうが上だと分かります。

標準化した後の平均と標準偏差

図に使った5個の製品の重さ(g)は 95, 97, 99, 103, 106 です。平均は 100g、偏差は −5,−3,−1,3,6 -5, -3, -1, 3, 6 、2乗の合計は 25+9+1+9+36=80 25+9+1+9+36 = 80 なので分散は 80÷5=16 80 \div 5 = 16 、標準偏差は 4g です。

各偏差を 4 で割ると、z得点は −1.25,−0.75,−0.25,0.75,1.5 -1.25, -0.75, -0.25, 0.75, 1.5 になります。合計は 0 なので平均も 0。2乗の合計は 1.5625+0.5625+0.0625+0.5625+2.25=5 1.5625+0.5625+0.0625+0.5625+2.25 = 5 で、分散は 5÷5=1 5 \div 5 = 1 、標準偏差も 1 です。もとが何グラムのデータであっても、標準化した後は必ずこの形になります。

入門問題

全 3 問
問 1

あるデータの z得点が 2 でした。この値が意味することはどれですか。

問 2

平均 50・標準偏差 8 のデータで、値が 42 であるデータの z得点はいくつですか。

問 3

標準偏差が0でないデータを標準化したあと、その平均と標準偏差はそれぞれいくつになりますか。