2つの数量を組にして集めたデータで、一方が大きいほど他方も大きい、あるいは一方が大きいほど他方は小さい、という一定の傾向が見られることを相関といいます。前者を正の相関、後者を負の相関と呼びます。散布図 に点を打つと、正の相関は右上がりの並び、負の相関は右下がりの並びとして現れます。標高が高い地点ほど気温が低いという関係は、負の相関にあたります。どちらの向きもはっきりせず点が散らばっているだけなら、相関はないと判断します。次の図の左側は、模擬試験を受けた90人の国語と英語の得点を打ったもので、右上がりの並びから正の相関が読み取れます。

同じ90人のうち、国語が65点以上だった26人だけを残したのが右側です。点は1つも動かしていないのに右上がりの並びは崩れ、相関の強さを表す 相関係数(図の )は 0.87 から 0.39 へ下がりました。この図では国語の得点幅を狭めた結果、残った人たちのあいだで英語の上下のばらつきが目立ち、相関が弱まりました。線形関係と同程度の誤差構造がある集団で一方の範囲だけを制限すると、相関は弱まりやすい傾向があります。ただし選び方によって強まることや符号が変わることもあり、範囲を狭めれば必ず弱くなるわけではありません。絞り込んだ集団の相関を、もとの集団へそのまま当てはめないことが大切です。
相関の強さは、点がどれだけ1本の直線の近くに集まっているかで決まります。細い帯のように集まっていれば強い相関、同じ右上がりでも帯が太く広がっていれば弱い相関です。ただし、相関が捉えるのはこの直線的な関係だけです。放物線のようにきれいな曲線に乗っていても、右上がりの部分と右下がりの部分が打ち消し合えば、直線的な関係は見られないという結果になります。これを2つの数量が無関係だという意味に取ってはいけません。向きと強さは相関係数の符号と大きさに、次のように対応します。
相関があるからといって、一方が他方の原因だとは限りません。両方に影響する第3の要因があるだけかもしれず、それを取り違えたものが 擬相関 です。散布図から読み取れるのは2つの数量が一緒に動いているという事実までで、因果関係 まで確かめたことにはなりません。
同じことを、6人ぶんの小さなデータで確かめます。10点満点の国語と英語のテストの得点です。
| Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | Eさん | Fさん | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国語(点) | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 | 10 |
| 英語(点) | 1 | 2 | 4 | 8 | 7 | 8 |
国語の点が高い人ほど英語の点も高く、相関係数は 0.87 になります。ここから、国語が6点以上だったDさん・Eさん・Fさんの3人だけを取り出してみます。
3人の国語は 6, 8, 10 と上がっていくのに、英語は 8, 7, 8 とほとんど動きません。この3人だけで計算した相関係数は 0 です。6人全体でははっきりしていた関係が、上位3人の中では跡形もなくなりました。
ここで「国語ができる人が英語もできるわけではない」と結論するのは早合点です。3人の国語の点は6点から10点までの狭い範囲に収まっており、もともと差の小さい人どうしを比べています。相関を読むときは、その値がどの範囲のデータから計算されたものかを併せて確かめます。
ある中学校で、生徒の1日の学習時間と小テストの得点を散布図に表したところ、点は全体として右下がりに並んでいました。この2つの数量の関係を表す言葉として最も適切なものはどれですか。
ある入試で、受験者全体の国語と英語の得点にははっきりした正の相関がありました。このうち合格者だけを取り出して2教科の相関を調べたとき、一般に起こりやすいこととして最も適切なものはどれですか。
都道府県別の人口と、ある農作物の収穫量の散布図を作ったところ、相関係数は −0.06 でした。この結果の読み取りとして最も適切なものはどれですか。