正規母集団から独立同分布の無作為標本を取るとき、母平均と母分散には次の手順で信頼区間を作れます。推定対象と母分散が既知かで使う分布が3通りに分かれます。
| 推定したい母数 | 母分散 | 使う分布 | 信頼係数 の信頼区間 |
|---|---|---|---|
| 母平均 | 既知 | 標準正規分布 | |
| 母平均 | 未知 | ||
| 母分散 | — | から まで |
母平均の2行を分けているのは、ばらつきの尺度に何を使うかです。母分散がわかっていれば をそのまま置けますが、わからなければ標本から計算した (不偏分散の平方根。 で割ります)で代用するほかありません。代用すれば不確かさがひとつ増えるので、標準正規分布より裾の重い t分布 に切り替え、自由度 の上側 点を係数にします。同じ信頼係数・同じ自由度なら必ず なので、係数のぶんだけ区間は広くなります。
母分散の区間は形からして違います。土台になるのは が自由度 の カイ二乗分布 に従うという事実で、この量が上下の 上側確率点 の間に収まるという不等式を について解けば区間が出ます。解くと は分母側に来るので、大きい確率点で割ったほうが下端、小さい確率点で割ったほうが上端。カイ二乗分布は左右対称ではないため、区間も推定値を中心とした対称な形にはなりません。
3通りとも、正規母集団からの独立同分布な無作為標本を前提とします。特に母分散のカイ二乗区間は正規性からのずれに敏感です。
正規母集団から内容量10本を独立に無作為抽出し、標本平均20.0 mL、不偏分散9.0を得ました。母分散は未知とします。
母平均から求めます。自由度は 、、ばらつきは mL。半幅は なので、母平均の 95% 信頼区間は 17.85 mL から 22.15 mL までです。もし母標準偏差が 3.0 mL と判明していれば係数は 1.96 に下がり、半幅は mL。知らないぶんだけ区間が広がっていることが見て取れます。
続いて母分散です。材料は と、自由度 9 のカイ二乗分布の2つの確率点 ・。下端は 、上端は (単位は mL²)です。
点推定の 9.0 に対して、区間は 4.26 から 30.0。下へ 4.7、上へ 21 と、右へ大きく伸びた形です。上端は下端の 7 倍あり、10 本という本数では、ばらつきの大きさは桁の見当がつく程度しか定まらないことになります。母標準偏差の区間が知りたければ両端の平方根を取って 2.06 mL から 5.48 mL(大小の順序が保たれる変換なので、端に平方根を取ってよい)。母平均の区間が 17.85 から 22.15 と締まっていたのに比べると、同じ 10 本のデータから言えることの差は大きいといえます。
正規母集団から独立同分布の無作為標本を取り、母平均を区間推定します。母分散が未知のとき使う確率点はどれですか。
正規母集団から独立同分布の無作為標本を16個取り、標本平均50.0、不偏分散16.0を得ました。母分散は未知です。 として95%信頼区間はどれですか。
正規母集団から独立同分布の無作為標本を取るとき、母分散の95%信頼区間の下端はどの式ですか。
正規母集団から独立同分布の無作為標本を取ります。同じ信頼係数・標本サイズで、母分散が既知/未知の場合の係数はどうなりますか。