ばらつきの大きさを、その出どころごとに並べた表が分散分析表です。列には平方和・自由度・平均平方・ 値を置きます。行の名前は分析によって変わり、回帰分析では回帰・残差・合計の3行です。単回帰なら次の形になります。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | 値 |
|---|---|---|---|---|
| 回帰 | 1 | |||
| 残差 | ||||
| 合計 |
平方和が と2つに分かれることは 変動の分解 で扱います。自由度も同じように足し算で分かれ、データが 組なら合計 、回帰 1、残差 です。残差の は、傾きと切片の2つを推定したぶんを から引いた値でもあります。平方和も自由度も、縦に足すと合計の行になることが表の骨組みです。
説明変数が 個ある重回帰では、回帰の自由度が 、残差は です。単回帰は の場合で、上の表と一致します。
平均平方は、その行の平方和を同じ行の自由度で割った量です。平方和は足し合わせた項目が多いほど大きくなるので、そのまま並べても公平な比較になりません。1自由度あたりの大きさに直してから比べる、という手順を踏みます。ここで早合点しやすいのが、平均平方も縦に足せば合計になるという読み方です。割り算をしたあとの量なので は全体の平均平方にならず、合計の行では平均平方と 値の欄を空けたままにします。
値は、回帰の平均平方が残差の平均平方の何倍かを示す量です。この値を F分布 の上側確率点と比べて回帰が意味を持つかを判断しますが、比をとって判断するという考え方そのものは F比、3つ以上の群へ広げた検定は 3群以上の平均値の差(分散分析) で扱います。
一元配置実験 では、回帰の行に相当する部分を水準間と呼びます。水準数を とすると、自由度は水準間 、残差 、合計 です。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | 値 |
|---|---|---|---|---|
| 水準間 | ||||
| 残差 | ||||
| 合計 |
試験では、いくつかの欄が空いた分散分析表を完成させる形がよく出ます。ここで確かめられているのは表の暗記ではなく、平方和と自由度が縦に足し算で分かれること・平均平方が横の割り算で出ること・ 値がその比であること、この3つを使い分けられるかどうかです。埋める順序もそこから決まり、まず縦の足し算で平方和と自由度の空欄を補い、次に横の割り算で平均平方を出し、最後にその比として 値を求めます。残差自由度からデータ数 を戻す式は分析ごとに異なります。切片を含む単回帰なら 2、説明変数が 個の重回帰なら 、水準数が の一元配置なら を残差自由度に足します。
ある建物で5つの部屋を調べ、窓に張った断熱材の枚数 と、外との温度差 を並べました。最小二乗法 で当てはめた回帰直線は です。
| 部屋A | 部屋B | 部屋C | 部屋D | 部屋E | |
|---|---|---|---|---|---|
| 断熱材 (枚) | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
| 外との温度差 (℃) | 2 | 3 | 3 | 7 | 10 |
| 予測値 | 1 | 3 | 5 | 7 | 9 |
| 残差 | 1 | 0 | −2 | 0 | 1 |
温度差の平均は ℃ です。全体の平方和は平均からのずれの2乗和で 、残差平方和は残差の2乗和で 。回帰の平方和は差をとって と求まります。ここまでで平方和の列だけが埋まりました。残りの空欄を(ア)〜(オ)とします。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | 値 |
|---|---|---|---|---|
| 回帰 | 40 | (ア) | (ウ) | (オ) |
| 残差 | 6 | 3 | (エ) | |
| 合計 | 46 | (イ) |
データは 5 組なので、合計の自由度は で(イ)が決まります。残差の自由度が 3 と与えられているため、縦の引き算で回帰の自由度は 、これが(ア)です。単回帰では回帰の自由度は必ず 1 になるので、ここは検算にも使えます。
次は横方向の割り算です。回帰の平均平方は (ウ)、残差の平均平方は (エ)。最後に 値は2つの平均平方の比で (オ)となり、表が完成します。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | 値 |
|---|---|---|---|---|
| 回帰 | 40 | 1 | 40 | 20 |
| 残差 | 6 | 3 | 2 | |
| 合計 | 46 | 4 |
最後の割り算でつまずきやすくなります。平方和のまま比をとって を 値としてしまう答案が目立ちますが、比べるのは自由度で割ったあとの平均平方どうしです。もう一つは合計の行で、ここに平均平方として を書き込んでも、回帰とも残差とも比べようのない量にしかなりません。合計の行には平方和と自由度までを書きます。
単回帰の分散分析表で、残差の行の平均平方はどのように求めますか。
データが 12 組ある単回帰の分散分析表について、回帰・残差・合計の自由度の組み合わせはどれですか。
データが 7 組の単回帰で、回帰の平方和が 36、残差の平方和が 15 でした。分散分析表の 値はいくつですか。
分散分析表の合計の行について、正しく述べているものはどれですか。