ひよこ統計

ベルヌーイ試行

統計検定2級

結果が成功・失敗の2通りで、成功確率を p p とする1回の試行をベルヌーイ試行といいます。コインを1回投げる、1個の製品を検査する、1人に賛否を聞く。どれもこれにあたります。

この1回の結果に、成功なら 1、失敗なら 0 を割り当てた 離散型確率変数 を考えます。とりうる値が2つしかないので、確率分布は1行で書き切れます。

x0(失敗)1(成功)
P(X=x) P(X = x) 1−p 1-p p p

期待値と分散も、定義に当てはめるだけで出ます。E(X)=0×(1−p)+1×p=p E(X) = 0 \times (1-p) + 1 \times p = p 。分散は X X が 0 か 1 しかとらないので X2=X X^2 = X となり、E(X2)=p E(X^2) = p を使って次のようになります(確率変数の期待値・分散・標準偏差)。

E(X)=p,V(X)=p(1−p)E(X) = p, \qquad V(X) = p(1-p)
p p :1回の試行で成功する確率

分散が p(1−p) p(1-p) という形になるのは、確率が半々のときに結果が最も読めなくなるからです。p=0.5 p = 0.5 で分散は最大の 0.25、p p が 0 や 1 に近づくと 0 に向かいます。ほぼ確実に成功する試行の結果は、ほとんどぶれません。

1回のベルヌーイ試行自体には、別の回との独立性は要りません。複数回を組み合わせるとき、反復の条件に応じて別々の分布が立ち上がります。

ベルヌーイ試行を同じ成功確率 pp で独立に反復し、成功回数を 二項分布 で扱うには、各回の同一分布性と独立性が追加で必要です。袋から玉を戻さずに繰り返し取り出す場合、各回はそれぞれ2結果でも成功確率が変わり、回どうしも独立ではないため、成功総数は 超幾何分布 で扱います。

工場の検査で、1個の製品が不良である確率が 0.02 だとします。不良なら X=1 X = 1 、良品なら X=0 X = 0 とすると、これはベルヌーイ試行です。

期待値は E(X)=0.02 E(X) = 0.02 。1個検査したときに得られる不良の「個数」の平均が0.02個、ということです。0か1しか出ないのに平均が0.02という小数になるのは、期待値が実際にとりうる値である必要がないためです。

分散は V(X)=0.02×0.98=0.0196 V(X) = 0.02 \times 0.98 = 0.0196 、標準偏差は 0.0196=0.14 \sqrt{0.0196} = 0.14 です。ここで p=0.5 p = 0.5 の場合と比べてみます。分散は 0.25 で、13倍近く大きい。不良率が 2% と分かっている検査は「ほぼ良品が出る」と読めるのに対し、半々の試行は毎回どちらが出るか分からない。分散の値がその差をそのまま表しています。

そしてこの製品を100個検査すれば、不良の個数は B(100,0.02) B(100, 0.02) に従います。期待値は 100×0.02=2 100 \times 0.02 = 2 個、分散は 100×0.02×0.98=1.96 100 \times 0.02 \times 0.98 = 1.96 。どちらもベルヌーイ試行1回ぶんの値をちょうど100倍したものです。二項分布の E(X)=np E(X) = np ・V(X)=np(1−p) V(X) = np(1-p) という式は、独立なベルヌーイ試行を n n 個足し合わせた結果として出てきています。

入門問題

全 4 問
問 1

成功なら 1、失敗なら 0 をとるベルヌーイ試行の確率変数 X X について、E(X2) E(X^2) はどう表せますか。

問 2

成功確率 p=0.3 p = 0.3 のベルヌーイ試行について、期待値と分散の組合せとして正しいものはどれですか。

問 3

1個が不良である確率が 0.02 の製品を1個だけ検査します。不良なら X=1 X = 1 、良品なら X=0 X = 0 とするとき、E(X)=0.02 E(X) = 0.02 の読み方として最も適切なものはどれですか。

問 4

独立なベルヌーイ試行を n n 回繰り返し、成功した回数を数えたとき、その回数が従う分布はどれですか。